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ようやく・・・

ようやく新年最初の更新ができそうです。
今回は新規読み切りの品で、全6話の予定となっております。
準備ができ次第、順次アップしていきますので、もう少々お待ち下さい。

本品ではヒロインは年の近い叔母となっており、少しNTR(寝取られ)風味で後味は軽めに仕上げております。

下記はその冒頭となりますので、雰囲気だけでも味わっていただければ幸いです。

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 俺には竜子(りゅうこ)さんという叔母がいる。
 叔母と言っても俺の母親とは随分と年が離れていて、俺とは六歳しか離れていない。
 彼女が結婚して東京に行くまではうちで同居もしていたから、幼い頃から一緒にいた姉のような存在だった。
 共働きだった両親の代わりに世話をしてくれたのも、悪さをすれば怒ってくれたのも彼女だった。

「悩んだり迷った時は、まずは一番やりたいことをやればいいのさッ、答えなんてもんは後からやってくるもんさッ」

 そう言って自ら行動で示してくれたのも竜子さんで、今ではそれが俺の基本的な考え方になっていた。
 そんな竜子さんが学校から帰宅すると不意に帰ってきていた。

「おッ、久しぶりッ」

 数年ぶりに見た彼女はリビングのソファでくつろぎ、帰宅した俺を笑顔で出迎えた。
 キュッと上がった目尻に大きな瞳が、笑うと糸のように細められる。どこか猫ぽい彼女の笑顔に、つい俺も口元が綻んでしまう。

「な、なんだよ。相変わらず連絡もなしに不意に帰って来てよぉ。夫婦喧嘩でもして家を追い出されたのかよ」
「あ、あぁ……えーとー……」

 冗談まじりに言った俺の言葉が当たらずとも遠からずのようだ。彼女が急にばつが悪そうな表情を浮かべてみせる。
 どうやら本当に旦那さんと喧嘩したらしく、着の身着のままで家出してきたらしい。
 気が強く、無鉄砲なところがある彼女だ。それでいて腕っぷしも強く、俺も通っていた空手道場でも一番の強さだった。
 そんな彼女の旦那さんは正反対の人で、華奢で気弱そうな人物だった。さぞかし彼女に振り回されているのだろうと思うのだが、実は竜子さんの方がベタ惚れして押し掛け女房をしたのだ。
 そんなだから今回の原因も詳しく聞いてみると、旦那さんが半年ほど単身での海外出張するのが原因だった。

「それって旦那さんは全然悪くないじゃんッ」
「えー、だってさぁ……寂しいじゃん」
「くぁ、結局はノロケなのかよ」

 相変わらず夫婦円満なようで、頬を朱に染めながら嬉しそうに旦那さんのことを話す。それを俺は笑顔で聞きながらも内心では面白くなかった。
 結局、その夜のうちに旦那さんとは電話で和解できたようだ。出張が終えるまで、このままうちに居座ることで落ち着いたらしい。

「そういうことで、よろしくッ」
「まぁ、竜子さんがいるのは嬉しいけどよぉ、仕事とか大丈夫なのかよ」

 今は翻訳家として仕事をしているらしいのだが、今の時代はネットさえ繋がれば場所は関係ないらしい。仕事で使うノートパソコンは肌身離さず持ってきているので、問題はないとのことだった。

(それにしても、また綺麗になったよなぁ)

 都会の女といった今の姿からは想像できないが、若い頃は特攻服に身を包みレディースにいた彼女なのだ。その数々の武勇伝は俺らの代でも語り草になっているほどだ。
 曲がったことが大嫌いな性格で腕っぷしが強く、それでいて美人。その真っ直ぐすぎる性格から敵が多かったが、味方がそれ以上に多い人だった。いまだに彼女のファンだという街の人も多くいる。
 その頃には長かった髪を今ではショートヘアにしていたが、竹を割ったような性格の彼女にはそれもよく似合っていた。
 スレンダーだった体つきも、ほどよく肉付きがよくなって、何気ない仕草にも人妻らしい大人の色気を感じてドキッとさせられてしまう。
 それなのに当人は昔のつもりで風呂あがりに下着姿で出歩くものだから、こちらを激しく慌てさせた。
 流石にそれには俺の母親も注意したらしく、すぐに自粛するようになった。だが、ホットパンツ姿で無防備に綺麗な素足を見せつけてくるものだから、それはそれで目に毒な日々を送ることには変わらなかった。

「そうかぁ、もうそういう年頃だもんね」

 俺の反応に、いまだに子供扱いして意地の悪い笑みを浮かべてくる。思わずムッとするのだが、アーモンド型の目でジッと見つめられると、怒るより先に照れてしまうのだ。

「あー、初々しくって可愛いなぁ、もうギュッとしちゃう」

 そうすると決まって背後から抱きついてくるのが子供の頃からの癖だ。ただその頃と違って、今の俺は背中に感じる柔らかな膨らみに、耳まで真っ赤にさせられてしまうのだった。

(くそぉ、やっぱり初恋の相手だと、何年たっても駄目なのかよ)

 いろいろな意味で俺にとって竜子さんは憧れの人だった。
 だからこそ、彼女が結婚すると知ったときは随分と落ち込んだものだ。その後、嫁ぐためにと東京へと引っ越していった後はもっと酷かった。
 喧嘩にあけ暮れる荒れた日々を過ごして、進学先は不良の多い工業高校に入る始末だ。流石に最近は落ち着いてきて、学校にも真面目に通うようになっていたが、彼女に対する想いは少しも変わらなかった。

(俺はもう子供じゃないんだぜ……)

 荒れていた間は仲間たちと随分と悪いことにも手を染めた。酒や女、ドラッグなどは一通りは経験したし、警察沙汰になるトラブルを何度も起こしていた。
 だが、教師に薦められたバイクレースにハマりだしてからは、その費用を捻出するためにバイトを掛け持ちする日々を過ごしていた。
 当然、少しでも割りのいいバイトを優先して入れているのだが、なかには人には言えない仕事もあった。

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