2ntブログ

何丼なのだろうか・・・

 更新ネタが無いので、『アベンジャー』(偽物母娘モノ)とは別に母娘丼話用の冒頭として試し書きしていたモノをアップしてみます。

 しかし、18歳以上の娘がいると母親は38歳以上……当サイトの読者層では30代後半以上のヒロインの需要はあるのでしょうか?(苦笑)
 試し書きでは無難に義理の母娘にしてみましたが、『親子丼(母娘丼)』というより『他人丼(義母娘丼)』にようで味が変わってしまう気もしなくもないですね(汗)。

----------------------------------------------------------------------------------------------------
●女性市議会議員モノ

 夜も更け、地方都市の郊外に立つ広大な日本庭園を持つ屋敷。その廊下を主である灰原 収蔵が歩いていた。
 戦後の混乱期に暗躍した男で、もうかなりの高齢であるはずだが、背筋をまっすぐに伸ばし、杖も突かずにしっかりと歩く姿は髪さえ黒く染めれば50代といっても通用しそうで、大きな鷲鼻と鋭い眼光によって獲物を狙う猛禽類のような雰囲気を纏う人物であった。
 そのひと睨みで政財界の重鎮たちをも竦み上がらせる男が、今宵は珍しく、上機嫌であった。
 とある部屋の前で立ち止まると、控えていた女中が襖を開いていく。その中に、目的の人物がいるのを確認すると、その口端を吊り上げる。

「やぁ、こんな夜分に議員の先生をお呼び立てした上に、お待たせして申し訳ない」

 微笑みながら声を掛けるのだが、重厚な声質とその容貌の為にその姿は獲物を前にした肉食獣のようにしか見えない。

「いえ、ですが、この後も予定が入ってますので、要件は手短にお願いします」

 対するは透き通った凛とした声で、その主は座布団の上で背筋を伸ばし正座する一人の女性であった。
 地味なダーククレーのスーツスカートに身を固め、癖のある黒髪をバレッタでアップにまとめ、最低限の化粧と地味にしようと努力したようだが、元々のその知的な美貌と男ならむしゃぶりつきたくなるような魅惑的なボディを隠す事が出来ずにいた。
 灰原は応接用のテーブルを挟んで女性の正面へと座ると、改めて目の前の女性を値踏みするかのように見つめるのだった。



 その女性、出水 巴(いずみ ともえ)は目の前の男の不躾な視線に、眉を顰めたくなるのを必死に堪えていた。
 現職の市議会議員である巴であるが、相手がこの地では絶大な裏の権力を誇っているのを嫌というほど知っていた。

(こんな時間に呼び出した理由も、おおよそ検討が付いてるわ)

 巴は、数日後に控えた議会で現職議員による大企業誘致の際の不正行為の数々を告発する用意をしていた。その背後には、この灰原がいるのがわかっていた。
 元々、この件を調べていたのは今の巴と同じく市議会議員であった夫であった。その夫は、3年前に不慮の事故に巻き込まれ亡き人となっていた。残された日記に記された情報から亡き夫の遺志を知り、夫の友人議員たちや義娘に支えられながら夫の跡を継ぐべく市議会議員となり、街の不正を正していった。そして、その元凶である灰原一派を告発に足りうる証拠をついに集めたのだった。

(その情報をどこからか嗅ぎ付けて、懐柔か脅しで、証拠を握り潰そうというのでしょう)

 ここに呼び出された事は、親友であり信頼できる秘書に伝えてあり、時間通りに戻らなければ、警察に通報する手はずになっていた。だがら、ここで下手に巴に手を出せば、議会を待つまでもなくこの男を逮捕する事も可能だった。

「それで、お話というのは、なんでしょうか?」
「ふむ……それなんだが、ちょっと困った事が起こっているんだが、さて、どう話を切り出すべきか……」

 不敵な笑みを浮かべ尋ねる巴に対し、不遜を絵にかいたような男が顎の髭を擦りながら、ワザとらしく悩んでいる様子をみせる。

「では、時間が掛かるようですので、後日に改めてお伺いします」

 そう言い放つと立ち上がる素振りを見せる巴に、灰原は大きなため息をついた。

「まったく、駆け引きというモノを知らん所は、夫であったあの男にそっくりだなッ」
「えぇ、その駆け引きとやらで黒いモノを白と言う気はありませんわ」

 立ち上がった巴は、目の前で睨み付ける老人の鋭い眼光を正面から受け止めた。
 だが、先に視線を外したのは灰原であった。

「ふん、まぁいい。これを見てもそう言えるか、教えてもらおうかッ」

 その言葉を待って控えていたのだろう。襖を開けて黒スーツ姿のスキンヘッドの男が入ってくると手にしていたファイルを差し出した。それを受け取った灰原は、ファイルを開き、目を通すと、口元を嫌らしく歪めた。

「……それは?」
「まぁ、待ちたまえ。ところでキミは出水の後妻だったな。義理の娘は今は大学生とは仲良くやれているかね?」
「な、なにを突然……」
「いやなに、今は東京に行って国立大学に通っている聞いたものでね。ちょっと、調べさせてもらったんだよ」

 そう言って、開いたまま差し出されたファイルには、数々の報告書と共に巴の義理の娘である出水 莉亜(いずみ りあ)の写真が何枚もファイルングされていた。
 その多くが、複数の男性を相手にSM行為をしている光景だった。




コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

久遠 真人

Author:久遠 真人
 ようこそ、いらっしゃいました。

 ここは久遠 真人が主催するSM小説サイト『HEAVEN'S DOOR』の雑記帳的な位置づけのブログです。

 お戻りになる際は、右の【リンク】『HEAVEN’S DOOR』をクリックして下さい。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR