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双成籠絡

今回の品も蔵出し品という名の賑やかしです(苦笑)。
以前に参加したフタナリ企画モノ用に書いてて没し方の品です。

いつものノリで「プライド高い少女の歪んだ愛情」「貞操帯による射精管理」を書いてみたらというアプローチでしたが、テンポよくまとまらなかったので蔵入りしました。

脳内で組んだプロットと設定をメモする流れで、その時に組み込みたかった雰囲気なども残すように冒頭を書いてます。
メモだけだと、あとで読み直してもチンプンカンプンなことが多くて……それで火が点けば筆を進めるのですが……我ながら効率悪いですね(苦笑)。
でも、まずは筆を止めないのを最優先にしていろいろ書いてます。
そんな訳で書かないではなく、書けない理由があって、お出ししているのがその時になんとか出せる品とご了承下さいませ(汗)。

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『双成籠絡(ふたなりろうらく)』

【1】

 深紅の絨毯のひき詰められた広々とした室内、そこは鳳星学院の運営を司る執行部本部にある生徒会長執務室。
 壁一面を使用した大きな窓からは学院の広大な敷地内が見渡せる。その窓の前に置かれたオーク材の執務机に、生徒会長である猩々緋 令華(ほうじょうひ れいか)の姿があった。
 女性にしては長身でスラリとしたモデル体形、美しい艶に彩られた長い黒髪と切れ長の瞳が印象的な美少女だ。背後から差し込む夕陽を浴びて、その怜悧な美貌は神々しくすら見えた。
 報告書のファイルに目を通していた令華は、入り口の向こうで騒ぎが起こっているのに気が付く。徐々に近づいてくる靴音の荒々しさから、その原因となった人物の様子が容易に想像できた。
 クスリと意地の悪い笑みを浮かべると、ファイルを閉じてデスクの上に置いた。
 それと同時に執務室の扉が荒々しく開け放たれ、生徒会役員たちの制止を振り切った、ひとりの少女が姿を現した。
 小柄な身体に鳳星女学園の制服である濃紺のブレザーをまとい、身に着けているリボンの色から一年生だとわかる。
 腰までありそうな長髪をポニーテルにまとめ、キッと令華を睨みつけるア-モンド型の目には意思の強そうな光を宿している。吊り上がりぎみの柳眉が、少女の勝気そうな印象をより強めていた。
 芸術的な美しさを感じさせる令華とは対照的な、野性的な美しさを感じさせる美少女である。

「入室の際は、ノックをするのが礼儀ですわよ、鐵 火憐(くろがね かれん)さん」
「あぁ、そうね。次から気を付けるわよ。それより、アタシが何しに来たかわかってるわよねぇ」

 火憐と呼ばれた少女は怒り心頭といった様子で。執務机の前までくると令華を見下ろす。

「さぁ、なんのことかしら」
「このぉッ」

 火憐と呼ばれた少女は、トボけてみせる令華に激昂する。バンと激しい音を立てて執務机に手をつく。
 慌てて止めに入ろうとする生徒会役員たちを令華は手で静止すると、しばらく席を外すように指示をだした。
 心配そうにする全員が部屋を出ていくのを確認すると、ようやく令華は口をひらいた。

「冗談よ、橘 響(たちばな ひびき)さんの件でよいかしら?」
「響が連れていかれたのは、やっぱり貴女の差し金なのね」

 幼馴染で親友である響が授業中に生徒会に呼び出されたまま帰ってこないとクラスメートに教えられ、すぐさま怒鳴りこんできた火憐であった。

「アタシに負けたのがそんなに気に入らないの? 響になにかしたら許さないんだからッ!!」

 火憐の啖呵に令華の眉がピクリと反応する。だがそれも一瞬で、口元には再び冷笑が浮かぶ。

「ちょっと調べものに協力して頂いてるだけよ」

 怒りで肩を震わせて今にも殴り掛からんばかりの火憐と余裕の笑みを浮かべる令華。
 ふたりの少女の確執は3カ月前――鐵 火憐がこの鳳星女学園へと転校してきた時から始まっていた。



 鳳星学園は、戦後の混乱期に裸一貫から製造業を始め、今では赤ちゃんのオムツから軍艦まで扱う巨大企業体、猩々緋グループを作り上げた人物が創設した学園だ。
 猩々緋グループからの多大な支援によって設備は充実しており、街から離れた郊外に広大な敷地を擁している。最新最高の教育と静かな環境で学園生活を過ごせるのもあり裕福層の女子が多いのが特徴だ。
 また、帝王学を学んだ将来の創業者を育成するという設立当初からの方針により、学内の運営の大半を生徒たち主導で行われていた。結果、それを統括する生徒会は強い権力を持っていた。
 そんな学園に、二学期も始まった9月下旬にふたりの女生徒、火憐と響が高等部へと転校してきたのだ。
 裕福層の生徒が多い学園といはいえ、それでもガラの悪い生徒はいる。そんな連中と、勝気な火憐はすぐにトラブルを起こしていた。
 その大半が気の弱い響を守ろうとしての行為であったのだが、すぐに手を出してしまう火憐にも問題がある。次第にエスカレートしていった嫌がらせを、持ち前の空手で強引にねじ伏せていったのだ。
 響の祖父が開く道場は実戦的な空手を教えることで県下で有名で、多くの警察や軍関係者が子弟として通っているほどであった。
 そこで火憐は幼少の頃から鍛えられてきたというのだから、その実力も伺える。
 だが、ことが大事になってくると流石に生徒会も動き出した。騒動の鎮圧に風紀委員を引き連れて現れた令華であったが、ちょっとした行き違いにより火憐と対峙することとなってしまった。
 学業だけでなくスポーツ、武道でも負けを知らぬ令華であった。だが、観衆の目の前でアッサリと火憐に負けてしまったのだった。

――それから令華様は変わられてしまった……

 令華の腹心である生徒会役員たちはそう感じていた。
 猩々緋の血族として幼少の頃より人より優秀であることを求められ続けた。それに常に応えてきた令華にとって、同性で年下の火憐に負けた事は受け入れがたい事であった。
 それでも負けた事実は変わらず、受け入れようと努力していた。だが、偶然目にした火憐に関する個人資料をみてしまい、それも出来なくなってしまった。
 それ以来、一般生徒に見せる優しい笑みの下で、ドロドロとした昏い感情が渦巻き、次第に大きくなっていたのだった。



 睨み合い、火花を散らすふたりの少女。先に目を外したのは令華であった。

「ふッ、ちょうど良かったわ。ちょっと見てもらいたいものがあるの」
「はぁ、なによ?」

 無造作に火憐の手元に置かれた茶色い封筒、その中身は数枚の写真であった。

「昨日、私の元に届いたものよ。なかなか興味深いものが写っているわ」
「なにを一体……えッ、これって……」

 写真に映っているのは火憐の姿だった。寮の私室を盗撮したものらしく、ちょうど部屋に設えられたシャワーを使用するところだった。
 制服を脱いで、あられもない下着姿になる火憐がシャワー室に入り、濡れた身体で出てくるまでの様子が写っている。

「こ、これを誰がッ!?」
「問題はそこではないわ。ほら、この写真なんてシッカリ写ってるわよね、とても不思議なものがね」

 令華の細く綺麗な指が、一枚の写真を指差す。その写真には裸で姿見の前に立つ姿を捉えていた。
 鏡に映るその股間には、あるはずのないものが写っていた。慎ましい柔毛の下でダラリと垂れ下がる器官だ。

「これって、男性器よね?」

 そう、胸の膨らみや括れた腰など早熟な女性らしい丸みを帯びた身体つきの火憐。その股間には本来はありえない男根が存在していたのだ。
 その異物感はすさまじく、彼女が可憐な美少女なのがそれを増している。
 問われた火憐は写真を見下ろしたまま動かない。先程までの強気の様子は消え去り、顔からは血の気がひいていた。
 その様子に乾いた笑みを浮かべた令華は、椅子から立ち上がるとゆっくりと背後へと歩んでいく。



【2】

「これって嫌がらせの合成写真かしらね?」
「うぅ……それは……」

 耳元で囁きかけられた言葉に、火憐の肩がビクリッと震える。
 肩に置かれた令華の細い指が、火憐の身体を服の上からなぞりはじめる。指先は意外に豊かな胸の膨らみを伝い、鍛えられて引き締まった腹筋を降りていく。

「もぅ、黙っていたらわかりませんわよ」
「う……や……やめ……ひぐぅッ」
 
 身体を這う指先に美貌を歪ませるものの、その声は弱々しい。振りほどくこともできずにいると、突然、令華の手が火憐の股間をムンズと掴んだ。
 手のひらが、フニャっとした異物の存在を知らせる。

「あら、これは何かしらね?」
「あぁ……くぅ……は、離して……」

 意地の悪い笑みを浮かべた令華の指先が、その異物をいじり始めると、すぐに硬く熱を帯びていった。

「あぁ、ダメぇ」

 令華の腕の中でビクビクと身体を震わせる火憐。令華の手を止めようと押さえるも、その動きは弱々しい。赤らめた顔には、切なげな表情が浮かぶ。
 普段の勝気な彼女からは想像できない様子に、令華はゾクゾクっと快感を覚えてしまっていた。

「ふふふ、何がダメなのかしら? 私が触っているのが何か……教えて下さらない?」

 次第に激しくなる指の動きに合わせて、火憐の腰がガクガクと震えてしまう。

「あぁ……いやッ、ダメぇぇ……」
「もぅ、なら、じかに調べさせてもらいますわね」

 令華の指がミニスカートの中へと潜り込み、ショーツの中の肉棒を握りしめる。
 すっかり硬く勃起したそれは、熱く火傷しそうなぐらいだった。
 すでにトロトロと粘つく液体を溢れだしている先端を責め立て、 器用に皮を剥くと亀頭を完全に露出させていく。

「そ、そんな……ひぃぃッ、ダメぇぇッ」

 亀頭のエラを指でなぞられた途端、火憐の腰が跳ねた。
 その途端、呆気ないほど果てた。腰をガクガクと震わせてながら、令華の握りしめた肉棒がビュッビュッと白濁の液を吐き出し続ける。
 その量は凄まじく、令華の手のひらを粘液まみれにしていく。
 それでも令華の指は止まらず、さらに責め立て続ける。

「ま、また……い、いっちゃうぅッ」

 令華の指で剥き出された亀頭を刺激されると、あっけないほど射精させられてしまう。令華の手腕が優れているのではなく、耐性がないようであった。
 激しい射精感と虚脱感に、頭がクラクラして身体からは力が抜けていく。
 ついには立っていることも辛くなり、絨毯の上に膝をついてしまう。
 それでも令華の責めは続いた。
 肉棒を握られたまま四つん這いの無様なポーズを取ってしまう。ガクガクと四肢を震わせながら、焦点の合わない目で背後の令華を仰ぎ見る。

「も、もう……ゆ、許してぇ」
「なら、私が握っているのが何なのか教えてくださるかしら?」

 細い指が絡みつく肉棒は、萎えるどころかビクビクと脈打ち更に硬さを増していた。
 朦朧としてきた意識の中で、ついに火憐はその名を口にする。

「オ、オチンチンです……あぁ、言ったから……うぅン……も、もう擦らないでぇ」
「そう、やっと認めたらわね。こんなの生やしてる貴女は男なのかしら? もし男子が女生徒と偽って更衣室やトイレに紛れ込んでいるのなら、それは許しがたいことですわよね」
「ち、違っ……アタシたちは女……くぅぅン」
「ふふふ、こうしてオチンチン握られて射精しておいて、それを信じろというの?」
「うぅ……そ、それは……」

 肉茎をしごかれると、堪えきれずに喘ぎ声を漏らしてしまう。
 度重なる射精でショーツの中は大量の体液でビッショリと濡れ、室内には精液の独特な香りが充満していた。

「それじゃ、試してあげましょうかしら。そうねぇ、10日間、私の実験に付き合って下さらない?」
「あぁン……な、なにをさせる……はぁはぁ、つもりなの」
「ふふふ、このオチンチンがどういうものなのか興味が沸いてきたの、いろいろ悪戯させてもらおうかしら」
「な……なんで、アタシがそんな事を……くぅぅン」
「ふふふ、だってぇ、女ならオチンチンで気持ちよくなりたいなんて、思わないでしょう?」
「そ、そんなの……あぁン、うぅ、ま、また……」

 耳に熱い吐息を吹きかけられて火憐がゾクゾクッと身体を震わせる。
 その間にも令華の指は動きを止めず、腰の動きを止められなかった。

「貴女が一度も根を上げなければ女として認めてあげるわ。ただし、ダメだった場合は私の好きなように処分させてもらうわよ。どうかしら?」
「うぅ、わ、わかったから……わかったから、て、手を止めてぇ」

 亀頭の先端を指でなぞられ、腕からも力が抜けてしまう。
 お尻を突き出す無様の姿のまま、火憐は涙ながら懇願する。

「あらあら、それはお願いする態度ではありませんわね、鐵 火憐さん」
「ぐぅぅ、ご、ごめんなさい。あぁン、お、お願いですから……はぁ、はぁ、て、手を離してください」
「ふふふ、よく言えました」

 ようやく男根から手を離された火憐は、力尽きたようにガクリと絨毯の上に突っ伏す。 気が付けば、陽がすっかり沈んでいた。
 令華は静まり返った室内で、倒れこんだまま気を失った火憐をひとり見下ろす。

「その調子で最後までお願いしますね、火憐さん」

 滴るほど手を濡れ汚した精液を舐めとると、令華は普段通りの笑みをニッコリと浮かべるのだった。



【3】

 翌朝、授業を受けるために教室へと向かう令華を、不機嫌な様子の火憐が待ち構えていた。
 制服であるブレザー姿であるのだが、今日に限ってはミニスカートの下にジャージのズボンを履いていた。

「あら、おはようございます、火憐さん。なにか御用かしら?」
「このぉ、わかっている癖に……」

 ニッコリと微笑む令華を睨み付ける火憐。
 漂い始めた 不穏な空気に、周囲にいる令華のクラスメイトたちが固唾を飲んで見つめる。

「ちょっと、こっちに来てッ」

 上品な笑みを浮かべ続ける令華にイラつくながら、その腕を掴んで強引に場を離れた。
 人気のない資料室に入り込むと、入り口の鍵を閉める。

「もぅ、相変わらず強引ね」
「そんな事より、これは何なのよッ」

 学園指定のチェックのミニスカートを捲し上げて、その下をズボンをずり下げる。
 そこに現れたのは素肌の上に履かされた黒革製のパンツだった。
 金属で補強された頑丈そうな品で、南京錠でしっかりロックまでされている。そして、その股間部からはプラスチックの筒状が生えてるのだった。

「あら、よくお似合いね」
「ふざけないでッ、なんなのよこれはッ」

 昨夜、気を失った火憐が目覚めると、いたのは寮にある私室のベッドの上だった。
 精液で濡れ汚れたはずの下半身は清められ、ショーツの代わりに履かされていたのが、この黒革製のパンツだったのだ。
 なんとか脱ごうと努力したのだろう。目の下にはうっすらと隈がみえる。
 その光景を想像して令華はクスリと笑った。

「ふふふ、勝手に触れないようにする貞操帯みたいなものかしら。従兄弟でそういうのが好きな変態がいるので、ちょっとお願いしたら作ってくれたの」

 いかに作るのに苦労したか語ってみせようとする令華。
 苛立ちを隠せない火憐は、それを遮った。

「いいから鍵を出しなさいよッ」
「あら残念ね、鍵は今は持ってないわよ。それにねぇ、私の実験に付き合ってくださる約束でしたわよね」
「あ、あれは……」
「それとも、もう根を上げたというのかしら?」

 否定の意思を示そうとした火憐だが、笑顔を浮かべる令華の目が冷たく笑っていないことに気が付く。つい言葉を飲み込み、視線を外してしまう。

「くッ、わ、わかったわよッ」
「ふふふ、素直なお利口さんは好きよ。あぁ、ズボンは脱いで、普段通りに授業は受けてね。それでは、放課後にお会いしましょう」

 満足そうに頷くと、令華はひとり資料室を後にする。
 その背後では、何かを蹴り飛ばして八つ当たりする音がしていた。







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