2ntブログ

少し変わり種・・・

 ブログの更新ネタが無かったので、触手服の話をしてた際に、試しに即興で書いたSSを載せてみます(汗)。

 私が普段は描かないファンタジーモノになっております・・・が、改めて読むと、いつもながら肝心のシーンに入るまでの前置きが長いですね(苦笑)。


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――ガイーン!!

 私の一撃で対戦相手の剣が吹き飛び、離れた地面に突き刺さる。

「勝負あったな」
「……くッ」

 喉元に剣先を突きつけると、男は悔しげに呻き、私を睨みつけた。

「これからは騎士団長が不在だからと、不正を働かぬことだな」

 私の言葉に男の顔がみるみると恥辱と怒りで真っ赤に染まっていく。
 そんな無様な姿を一瞥すると、私は身を翻して城の方へと戻っていく。
 その背後で、男に取り巻きたちが心配して駆け寄るのだが、男は怒鳴り散らし怒りを爆発していた。
 だが、その時には私の関心は男には向いていなかった。

 近衛隊といえば聴こえが良いが、王都中央から一歩も出ず、主に式典などに出るだけのお飾り部隊である。貴族の次男坊などが泊を付ける為に入隊する為、士気も低く、年々、部隊としても騎士としても質が下がる一方だった。
 そんな部隊の立て直しを、前線で数々の戦功をたてていた隊長と私に命じられた。聞けば、王のたっての願いらしく、断ることも出来なかった。
 王都へと戻った私たちは、即座に隊長が騎士団長へ、私が副団長へと任命されると、すぐさま近衛隊の立て直しを図った。
 まずは、師団内に運びっていた不正、腐敗を取り除き、厳しい規則でそれを取り締まる。破った者には厳しい処罰を与え、次々と粛清していった。
 その成果もあり、半年もすると、師団は見違えるような練度と士気を取り戻した。
 だが、その影で私たちに反感を持つ者も少なくなく、先の大貴族の御曹司も何かにつけては私に突っかかってきた。

「女のくせに……」

 影でそう呟くのを何度も耳にしていた。
 だが、気にせず私は力ずくでも男を従わせていた。自分より力のある者には尻尾を振る……それが彼ら貴族の習性なのを私は知っていたからだった。
 しかし、それが女だった場合、彼らが感じるのは屈辱でしかない事に私は気が回らなかった。

 騎士団長が王の遠征に付いて不在の間、残っている団員の鍛え直しが私の仕事だった。
 特に先日の男のような貴族の御曹司ばかりが多く、従わせるために少々荒ぽい手法も必要で、今日もそんな彼らの性根を叩き直す為に、彼ら相手の模擬戦を行う予定だった。
 私は訓練に向かう為に、薄着のインナースーツの上に愛用の鎧を身に付けていく。

「……ん?」

 いつもと変わらぬ鎧のはずだが、僅かな違和感を感じていた。装備の装着具合を調べるが、とくに問題はない。

「気のせい……か?」

――トントンッ

「既に全員揃い、副団長をお待ちしております」
「わ、わかった。すぐに行くッ!!」
 
 改めて防具を締め直していた私は、出迎えにきた団員に促されるように慌てて室内訓練場へと向かった。
 そこには私に不満を持つ御曹司の一派が整列して私を待っており、その筆頭である先日負かしたあの男が、私に向かって敵意むき出しの視線を向けてきていた。

「今日こそ、そのツラを泣き面にしてやるよ」
「ふっ……今日はまた、えらく勇ましいな」

 普段通りな男の啖呵に、私は冷笑で返す。
 だが、普段ならそこで私の反応に怒り狂う彼だが、その口元に乾いた笑みを浮かべていた。
 周囲を見渡すと、彼の取り巻き連中も同様な笑みを浮かべており、その反応に私は違和感を感じ始めていた。

「また、なにか卑怯な手でも考えてるのだろうけど……そう簡単にはいかないわよ」
「へッ、よくわかってるじゃねぇかよ。だけど、もう遅いぜ」

 男が何か呪文のような言葉を発すると、突然私の鎧が蠢き始めた。

「――なッ!? こ、これは……」
「アンタの鎧にちょいと寄生生物を仕込ませてもらったぜ」

 鎧の内側から無数の触手がウネウネと生え出したかと思うと、私の服の合間から入り込んでいくる。

「あッ、いや……やめ……」

 その素肌を舐められたかのようなヌメリとした感触に鳥肌を立てる。
 必死に鎧を脱ぎ捨てようとするのだが、鎧はガッチリと張り付き離れる気配がなかった。
 そうしている間にも、襟元や脇の下、服の裾からと無数の触手が入り込み、私の肌へと表面に分泌したヌメヌメした粘液を擦りつけていく。

「ハァ、ハァ……あんッ……えッ……」

 そうして塗りつけられた箇所が次第に熱を帯び始めると、次第に敏感になっていっていくのに気がついた。それと共に知らず知らずのうちに息も乱れ、手足が気だるくなっていく。

「な、なにを……私の身体に何をしたッ!!」
「なーに、ちょっと媚薬成分をそいつが分泌しているだけさ。女の淫液が大好物らしくてな、たっぷり排泄するように、そうして対象者を悶え焦らすらしいぜ」
「――なッ!? 何を馬鹿な……そんなモノ、切り刻んで……」

 剣を振り上げようとした私の手を、密かに忍び寄っていた男の取り巻きの一人がガッシリと掴むと、すかざずもう片方の手も別の男が取り押さえた。

「おーっと、そうはいかさねぇよ」
「は、はなせッ! 貴様らッ!!」
「そう怒るなって、大枚叩いて手に入れたんだ、折角だからもっと楽しんでくれよ」

 男たちは私から剣を取り上げると、両腕を後ろ手に捻りあげ、手枷をガッチリと嵌めてしまった。

「これを解け! 貴様ら何をやっているのかわかって……ウグッ!?」
「うるせぇから、しばらく黙っててくれよな」

 私の口に口枷が噛まされ、ギュッと後頭部で締め付けられる。

「ウッ、ウグッ!?……グゥゥッ!!」

 それが終わると同時に、蠢く触手たちが私の敏感な部分を狙い、責め立て始めた。
 ただでさえ触手の粘液で敏感になっているのに、更に敏感な部分に塗りつけられ、責め立てられてはたまらない。身体を貫く激しい刺激に、私はガックリと膝をつき、恥も外聞もなく身体を打ち振らせて身悶えしてしていった。

「さーて、存分に恥をかいてもらおうか……副団長様よ」

 男の言葉を遠くに聴きながら、今までに感じたこともない脳を焼き尽くさんばかりの肉悦に、私は次第に心を白く染め上げられていくのだった。



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