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ボクっ娘・・・

 ボクっ娘を書いたらどうなるか・・・ちょっと試し書きをしてみました。

 そのうち話を書こうかと考えている探偵モノ、その主人公の元を訪れるボクっ娘て感じでしょうか。
 このシリーズもネタがいくつかあるので、連載がいくつか落ち着いたら実験的に書いてみたいものです。

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――ピンポーン……

 遠くで鳴るチャイムの音で、俺は目が醒ました。
 嵌めたままだった腕時計に目をやると、針はまだ朝の7時を指している。
 張り込み続きで車中泊な毎日だったのでここ数日ろくに寝れてなく、ようやく朝方に戻ってきた俺は着替えるのももどかしくそのままベッドへ倒れこんでいた。

「うっせぇなぁ……留守だよ……」

 そんな訳で俺は布団を頭から被ると、居留守をする事にした。

――ピンポン、ピンポン、ピンポン!!

 途端に、チャイムの軽快な連呼が張り響き、俺の眉間に血管を浮かせる。
 更に、それは鳴り止むどろか軽快なリズムをつけはじめ、それに俺はたまらず跳ね起きると、足元に散らばっている撮影機材を器用に避けながら玄関に駆け寄り扉を解き放った。

「うっせーッ、近所迷惑だよッ!!」
「――あッ、やっぱいるじゃん! おはよーッ!!」

 そこには予想通りの人物が、すっかり当初の目的を忘れてリズムゲームよろしく呼び鈴ボタンをリズミカルに押し続けていた。
 立っていたのはショートカットの似合う日焼けした美少女で、スラッとした肢体にジーンズに革ジャンというボーイッシュな格好で化粧も薄いが、整った顔立ちに黒目の大きく綺麗な瞳が魅力的な娘だった。
 この娘とはとある依頼で知り合ったのだが、それからなんだかんだと言っては俺の元へ遊びにやってくるようになっていた。

「折角、可愛い娘がわざわざ遊びに来たんだからさぁ、もっと嬉しそうな顔しなよッ」
「……徹夜明けなんだよ……頼むから、寝かしておいてくれよぉ」

 白い歯を見せながらニヒヒッと笑う少女に俺は涙目で訴えるのだが、相手はまったく聴く気がなく、俺の脇をすり抜けて慣れた様子でズカズカと室内へと入っていく。

「どうせロクなもんを食べてないでしょ? 美味しいボクの手料理を食べさせてあげるからさぁ」

 そういって台所に立つと、持ってきたビニール袋から食材を取り出し始める。
 その姿を壁に寄り掛かりながらジッと見つめていた俺は、大きく溜息を付いた。

「で……今度は何に困っているんだ?」
「……え?」

 俺の言葉に、目の前の少女はギクッと身体を震わせ調理していた手を止めた。

「お前が俺のところに逃げ込んでくる時は、大概ストレスフルな状態かトラブルを抱えている時だからなぁ……特別価格で相談には乗ってやるぞッ」
「あはは、流石は探偵さん、鋭いなぁ……御代はボクの身体で払ってもいい?」
「放し飼いをしていると毎回のようにトラブル抱えて帰ってくるんじゃ、躾けなおす必要があるかもなぁ?」
「あはッ、期待しちゃおうかな、ご主人様ッ」

 俺の言葉に、途端に期待に目を潤ませ熱い視線をこちらに向けると、まるで何かのスイッチが入ったかのように、先ほどまでの奔放な少女から一転して女らしい妖艶な雰囲気を醸し出す。
 そんな少女が隠し持っていた首輪を受け取って俺がその細い首にシッカリと嵌めてやると、少女は華奢な身体をゾクゾクと震わせながら熱い吐息を漏らすのだった。


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