2ntブログ

没落系・・・

 没落系なネタをチャットで頂いたので、ちょっと試し書きしてみました。


 とあるシンジゲートのボスの娘。

 大切に育てられたお嬢様である彼女が、組織内のクーデターによって地位を失い囚われる。

 そんな彼女を待ち受ける運命は・・・。


 ・・・なんて感じのシチュエーションです。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――-

『壊されゆく深窓の令嬢(仮)』


――バンッ!!

 大きな音を立てて、私の部屋の扉が荒々しく開け放たれると、複数の男たちが銃を片手にドタドタと靴音を立てながら、室内へと入り込んできた。

「何事ですか、貴方たち!!」

 私の勉強を見ていた、家庭教師も兼ねる侍女のクロエが険しい表情で立ち上がると、声を張り上げる。
 突然の事態に戸惑っていた私は、普段は物静かな彼女の様子にビックリするのだけど、室内に入ってきた男たちには、何の効果もなかった。
 私たちを取り囲み、銃を突きつける彼らの後から、一人の男性が悠然と室内へと入ってくると、クロエの表情は険しくなり、まだ椅子に座ったままの私を守るように、前へ立ちました。

「キドウ……どういうつもりです」

 私の前では柔和な笑顔のクロエの目元が険しくなり、彼女を取り巻く雰囲気がとても冷たいモノへと変わっていきました。

「ク、クロエ……」
「少々、お待ちくださいね、お嬢様」

 手で私を制しながら、目の前の男を対峙するクロエ。
 正面の男は、父の部下だった男で、何度か顔を合わせたことがあったので記憶に残っていた。眼帯をして頬に傷のあるガッシリとした体躯の男性で、黒髪をオールバックに撫でつけ、常に細められた冷たい目が印象的な男性でした。出会う度に、密かに私の品定めをするかのように見つめる視線に、何度かゾクゾクする寒気を感じ、嫌な想いをした印象があった。

「ふっ、相変わらず上から目線だな、クロエよ」
「質問に答えなさい! 貴方は破門になったハズです。なぜ、会長のお屋敷に足を踏み入れているのですか!!」
「俺の口から聞きたいのか? 大方、察しはついているんだろう?」
「……」
「いわゆるクーデターってヤツだな。もうろくオヤジの首は、さっき取らせて貰ったよ」

 キドウのその言葉を聴いた途端、クロエの手が痛いほど強くギュッと握られたのがわかった。

「そういう訳だから、大人しく軍門に下ってくれよ。お前の能力は高く買っているから、尻尾を振るなら雌犬として飼ってやってもイイぜ」

 そう言うと、キドウは口元に薄笑いを浮べる。その表情がまるで美味しい獲物を前にしたハイエナのようで、背筋がゾッとした。

「それに、お前が言う事を聞いてくれるのなら、お嬢さんは丁重に扱うぜ。流石のお前も、相方がいない状態じゃ、お嬢さんを守りながらこの人数はキツかろう?」
「……くッ」

 その言葉に悔しげに唇を噛むクロエの姿に、私はキドウの言葉が事実である事を理解した。
 キドウはクロエの様子に笑みを深めると、周囲の男たちに指示を出す。
 取り囲む男たちの中から、3人の男たちがクロエににじり寄る。彼らの手には手錠と鎖が握られており、下卑た笑みを浮べながら、クロエの両腕を背後に捻り上げた。

「……ぐッ」
「下手な真似はするなよ。お嬢さんにも銃口は向けさせてるからな」

 気が付けば、周囲の男たちの手に握られた銃のいくつかが私に向いていた。
 男たちはクロエをボディチェックをして身につけていた武器を取り上げていく。
 2丁の拳銃、ナイフ、予備弾倉、小型拳銃……次々と彼女の懐から武器が出てきて、私は驚いた。

――ガチャッ……ガチャッ

 背後に捻り上げられたクロエの手首に乾いた音を立てながら手錠が掛けられ、ギチギチとその輪を締められていく。
 その手錠から上下に鎖が伸びていて、足元に垂らされた先にはもう一つの手錠があり、それもクロエの足首へと次々と嵌められていく。足元の手錠を繋ぐ鎖も短い為、歩くのもままならず立っているのがやっとの状態だった。
 もう片方の鎖の先にはΩ形の肉厚の金属が付いていて、それをクロエの細い首に嵌め込むと、閉じられ、重ね合わせた金属部分に大きな南京錠が通され施錠されてしまった。

「……随分、大仰な拘束だこと」
「はははッ、それだけ俺がお前の事を評価しているって事だ、ボス直属の殺し屋さんよ」

 そう語るキドウをキッと睨みつけるクロエ。そんな彼女の目にアイマスクまでも被せられ、視界も奪われていった。

「さーて、最もやっかいな脅威の片方も封じたし、お嬢さんにも一緒に来てもらおうか。俺好みの雌奴隷に調教してやるよ。淫らに堕ちたお嬢さんを見りゃ、ボス派の残存連中も大人しくなるだろうよッ」
「なッ!? 約束がちが……うぐッ」

 抗議しようとするクロエの口に、口枷が押し込まれ、ギュッと後頭部でベルトを締め付けられると、彼女は言葉も封じられてしまった。

「お前は黙ってろ! 安心しろ、お前も恨みのある連中に輪姦してもらった後に一緒に調教してやるから、楽しみにしてるんだな」
「ウグッ……グゥ……」

 悔しげに呻くクロエの腕を2人の男が左右からガッシリ掴むと、引き摺るようにして連行していく。
 その光景を茫然と見ていた私も、両脇から二の腕を掴まれ無理やり立たされる。
 荒々しく扱われる事に、恐怖で身体がガタガタと震えてしまう。でも、目の前の男に醜態を曝すのは、私のプライドがどうしても許さなかった。

「お父様を……どうしたのですかッ?」

 恐怖で見尻に涙を浮べながらもキッとキドウを睨みつけ、残った勇気を振り絞ってどうにか毅然とした態度をみせる。
 私の態度に、ほぅと少し意外そうにしたキドウは、すぐさま口元をいやらしく歪めた。
 
「あぁ、どてっ腹に鉛弾をくらっても抵抗しやがるんで、蜂の巣にしてやったよ。だが、ちょっと後悔してるんだよ……」
「……それは、どういう事……」
「だって、殺しちまったら、それ以上嬲る事もできねぇからなぁ」
「……えッ?」
「お嬢さんには、せいぜい醜態をさらして俺を楽しませてくれよ。淫らな雌奴隷に躾けてやるぜ。そうして、俺に尻尾を振って媚ふる雌犬にした暁にはオヤジの亡骸の前で犯してやるからよぉ。そこまでしねぇと俺の恨みがおさまらねぇんだよ」

 そう言って目を血走らせながら残忍な笑みを浮べる目の前の男の姿は、まるで悪魔のように見えて私は恐怖でガタガタと歯を震わせ、絶望で心が押し潰されそうになるのでした。


 

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久遠 真人

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